退職を機にスキー場でイントラを1か月強体験してみました。
そもそもは、スキー上達に向け、退職後のモラトリアム期間を利用して
スキー場の住み込みバイトを考えていた。一方で、意外に滑る時間に制約があることや、自分一人で滑っていても上達には限りあると感じたことから、
ならば、思い切ってイントラという職種はないのかと。
アシスタントでも見習いでもいい、うまい人達の間に入ってレッスンしたり
練習したり、そういう機会がイントラならあるのではと考えたから。
上達に向けて同じような考えを持っていた人の参考になればと思います。
1 スキーのイントラとして働いた概要
・場所:S高原
・スクール名:ふせておきます。また、スクールの直接雇用ではなく、スクールにイントラを派遣している会社を通して、つまり派遣イントラとして勤務しました。
・期間:12月末~1月末の約35日 ・
2.そもそもイントラを、どのようにして見つけたか
・イントラをやる理由の第一が上達ではありましたが、当然ながら報酬や滞在期間の食事や宿の環境も気になりました。上達できそうか、宿や食事の環境がそこそこ整っていて滞在コストがかからないか、最後に報酬、この3つを念頭にネットで職探しを開始。スキー場バイト、イントラ、などを検索すると、インディード等で数件のっていた。
・どれも日給1万円程度だったかと。宿や食事、風呂などの待遇・環境は後編でお伝えします。
・どの募集案件もスキー技術が要件に書かれていないので、もしや子供のスキー修学旅行やビギナー向けが主体なのかなと思い(行ってみたら実際にそうだった)まずはすべてに応募。
・応募先から返信や連絡があったうちの、最初に電話がかかってきたところに決定。
決定した理由はその会社(派遣元)がもっとも連絡がはやかったから。数日後には
シーズンのスケジュールも送られてきました。
3.イントラ採用にあたっての条件などは?
・そのスクールの場合は、ホテル宿泊で宿泊費無料、朝晩は食事が無料でついてくる(ホテル宿泊の一般客とほぼ同じ食事、お昼だけスキー場で実費で各自採る)等の説明あり。またそのバで勤務可能な日程、ウェアのサイズなどをきかれました。
・不思議なことに、スキー技術をきかれませんでした。「スキーはある程度できますよね、バックボーゲンができればいいですが」といった程度。はるか昔に1級をとり、その後足並みが低下していまでは間違いなく1級未満の自分が、果たして採用してもらえるのか不安に思っていたので、これには拍子抜けの感あり。
・どうやらスキースクールには、スキー修学旅行などの団体客をメインにするところと、一般客のグループ・プライベートレッスンなどが主体のものに大別されるとみられる。
前者は、今回私が応募したケースで、志賀高原や菅平など大きな宿泊施設(一度に数百人の団体を止められるキャパのホテル)があるスキー場はこの手が多い模様。
後者は、大型のホテルが隣接してないスキー場のスクールで、こういったスキー場にはそもそもスキー修学実習などのような団体客は殆ど来ないし、むしろ上達志向のスキーヤーが生徒としてはいってくる。
なのでおそらく自分のレベルでは採用されなかったのではと思います。スキー雑誌の巻末で募集広告を出しているのは後者が多いのではないでしょうか。(待遇面や宿泊先・食事などの詳細は後述します)
4.スキーレッスンの内容

・いよいよ開始日(現地集合日と集合場所)が決定。
12月26日の11時に現地集合(Sスキー場 ホテルAの地下の乾燥室)となり、当日の早朝から新幹線で移動。自宅(神奈川)を朝5時に出て、新幹線→私鉄→路線バスを乗り継いで現地に10時半に到着。これまでは群馬県の沼田や水上エリアをメインに車で日帰りしていたので、重い荷物をもって駅の構内を歩いたり電車やバスを乗り継ぐのは想像以上に大変でした。
・レッスンの内容をきくと、上述した通り小中高のスキー実習のイントラだった。その後約1か月の間の勤務はほぼすべて小中高性の団体・スキー実習のイントラ業務でした。
・また、いちどに100名前後、多いときは300近い生徒が、しかもその大半がスキー初めて、という集団です。そんな生徒さんたちを班分けし、イントラを配置するのだから、当然ながらかなりの数のイントラが必要だと現地で実感しました。
・日程は概ね2泊3日で、計4コマのレッスンを行うことが多く、
初日:全生徒での開校式。その後班ごとに(約10名前後)レッスン開始。大半が初心者なので、ブーツのバックルチェック、板の持ち方、履き方、から始まりリフトには板を持ったまま乗り、緩斜面や平坦な場所で、転び方、片足板はいて歩き、両足履いて歩き、ハの字の練習
転び方、を教える。で初日の午後からではハの字で頑張ってすべってみよう、となる。
僅かな斜面でも転ぶ生徒が続出するなか、なんとか緩斜面を1本下まで滑り終えて(というか辿り着いて)初日は終了。
2日目以降は少し要領をえてきて、ハの字で緩斜面を数本滑る。3日目も数本滑った後、閉校式を終えて終了。生徒さんを乗せたバスをお見送り。以上がよくあるパタンでした。
5.スキーレッスンで苦労したことは?
・大半が初心者なので、当然ながらハの字がなかなかできず、あちこちで転倒する生徒たちが続出。滑りだした(というか勝手に板が滑り出して)暴走する生徒たちも。そういった子たちに粘り強く対応するには忍耐と体力が必須。
とにかく生徒さんにケガをさせないで、なんとか班の全員をプルークファーレンができるようにして講習時間内に下まで卸す、これがイントラに課せられた仕事でした。
・すぐできる子もいればそうでない子もいます。できない子のレベルに合わせて斜面や列のお順番を考えたり。また、学校の行事だから参加しただけでスキーがしたいたわけではない子も当然いる。つまりモチベーションもさまざま。それでも全員に「楽しかった」と思ってもらう努力も必要。そして何より、そんな彼ら全員がお客様。そのお客様を最低でもハの字で下まで滑れるようにしてさしあげる、というサービス精神が何より大事、と感じました。
・また、スキー学校もビジネスですから、イントラの指導品質が劣ってないか常に目をひからせていて、態度のよくないイントラや集合時間やタイムスケジュールを守れないイントラには強く注意を与えていました。
・今まで、自分の子供や子供の同級生にスキーを教えたことはありましたが、相手が集団であること、お客様であること、など、我が子に教えるのとはストレストプレッシャーが格段に違うと、やってみて実感した次第です。
6.スキーイントラへの事前講習はないの?
・初日のレッスン前、スクールの技術主任が全イントラに対し、コース案内も含めて簡単な講習を1時間ほどしてくれました。このレベルならこのコースを使うとよい等のコース案内や、子供に教える際の注意点などなど。
・また、派遣元の社長さん(元国体選手でかつイントラ経験豊富)から簡単なマニュアルの配布があったり、具体的な講習手順のアドバイスがありました。参加者のなかには、昨年も参加した経験者もおり、その方たちからレッスンのコツを教わりました。
さて、レッスン内容はこの程度にします。みなさんがききたいのはむしろ
「フリー滑走の時間はどれくらいあるのか(つまり上達につながる機会はあったのか)」とか、「給与や食事、宿、交通費、などの待遇面あhどうか」などではないかと思います。後編ではそのあたりを可能な範囲でお伝えしていきます。
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