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スキースクール体験録  ~レッスン・合宿・キャンプの感想~【後編5スクール】

スキースクール

これまで約30年、お世話になったスキースクールや合宿・キャンプ、レッスンについて書きます。上達効果があったか否かは触れません(私の能力の問題なので)。替わりに、なぜそこを選んだのか、や体験したエピソードを中心に書きます。講習の考え方や講師の方のキヤラクターも伝わればと思います。本編【後編】は今も顕在なスクールばかりですので、スクール選びを考えている方の少しでも参考になればと思います。ただ入校した日付は古い為、その点はご容赦ください。(前編はこちら)

6.宝台樹スキースクール

●1992年頃~1998年頃:常設の半日レッスン、1日レッスン、バッジテスト
 当時、スキーに行く回数を確保したい一方、遠くのスキー場に出かけるのが大変に感じてもいました。そろそろ30歳を迎えて体力も落ちてきたのか、関越トンネルを超える長距離運転はさすがにきついなと。運転距離もそうですが、何より行き帰りの渋滞がとんでもなかったですから(関越100キロ渋滞、なんてのもありましたよ、マジです)。そこで選んだのが宝台樹スキー場。水上インターからアクセスできるので少しでも関越渋滞による体力と時間の消耗を減らせると考えたのです。


 宝台樹では、宝台樹スキー学校に夫婦でよくお世話になりました。スキー場に常設されたSAJの学校。先生方の年齢は若手から年配まで広め。地元の民宿の主さんや、群馬県内の赤城村や沼田市から通いの先生もいらしゃいました。つまり、所謂”ジモトの方”。当然、物心つく頃からスキーしてた人が多いようで、それだけに滑りの違いは素人の私でも感じました。子供の頃から滑ってる人と20代に始めた都会モン、これは人種が違うと思ったほうがいいかも、そんなレベル差。英語と同じで、スキーもネイティブには勝てんよ、と。特に 先生方がレッスン後に集団で自主レッスン(遊び?)してるのをよく追いかけてみていたのですが、その迫力たるや。30度のコブ斜面を、大量の一般スキーヤーがギャラリーとなって見守る中、先生たちが順番に滑降していく・・・白樺ゲレンデのあのときの様子と言ったら・・。ビデオ撮っとけばよかったな、と心底思います。
また、こちらの学校には、当時のその少し前、SAJのデモだった小野さんという方もイントラをされていたそうです。私がお世話になっていた頃は既にデモも辞めていたとのこと。滑りを目にしていたらさらに驚いたでしょう。

 こちらでバッヂテスト2級をとりました。当時 1級、2級とも、受験生がそれぞれ10~20人近くいましたが、私が2級を受けたとき、合格者は1級2級とも各々1人づつだったかと思います。
私よりうまいと思えた人が2級の中でも半分くらいいた印象があり、当然自分は受からないものと思っていたので、この結果はうれしかったですね。スキー学校の先生に顔を覚えられていたのが幸いだったかも。どちらかのクラブでしょうか、集団で受けに来られていて、ほとんどが不合格になり、皆さん
落胆しているのをみて、自分のようなのが受かってしまいホントにいいのか・・と感じていました。今はクラウン・テクニカルの講習も実施されています。HPの動画もアップされています。

 当時のレッスンは、最初に緩斜面でクラス分けをして3~4班に分かれてレッスンしていたと思います。また宝台樹はファミリーも多いので、キッズの班が多い印象もあります。とてもお世話になったスクールですが、スクール受付場所から、クラス分けで使う緩斜面のリフト乗り場まで歩く(少し登り)のが毎回億劫だったですね。

7.奥利根国際スキー場(奥利根スノーパーク)

●1998年頃:常設レッスン
 宝台樹スキー場を利用していた当時、時々、少し手前にある奥利根スキー場に浮気することもありました。奥利根なら峠道や山道を走ることなくアクセスが楽だからです。
 こちらでもスキー学校に何度かお世話になりました。イントラの先生は比較的年齢が若い印象でした。少なくとも私に限っては、いわゆる叔父さん先生に習ったことはありませんでした。首都圏(埼玉など)から通いの先生もいらっしゃいました。日曜日に入校したとき、「あすの出勤がつらいんだよね・・」などまるでスキー場にはそぐわない会話をリフトの上でしてました。
 なぜかいつも入校者が少なめで、先生とマンツーマンとなるときもありました。
説明やアドバイスは、丁寧でした。わずか4時間のレッスンなのに、講習前に「お名前は?」と確認し、講習中は常に名前苗字で呼んでくれました。受講者数関係なく、です。おそらくそういう接客方針だったのでしょう。サービス業としての教育が徹底されていたと思われます。宝台樹のほのぼのとしたジモティ先生方のレッスンとはまた違った良さがありました。


 レッスン内容は、ポジションを意識した練習が印象に残ってます。ジャンプウエーデルンとか。でもまあ、ポジションはどこのスクールでも常に言われていましたから、つまり、私はポジションが悪いってことですよね。
 また、当時、東京12チャンネルで放映していたスキーNOWがロケに来ていたことがありました。ナショナルデモの伊東秀人さんのポールキャンプ。伊東デモを追っかけて生の滑りを見ようとしたのですが、全くついていけず見失っていました。だからリフト待ちしている伊東デモの後姿しか見れてません。

 奥利根スキー場はスノーボーダが多いのですが、”草技術選”のイベント開催日は、いきなり上級スキーヤーが急増していました。上級というのは、当時の私が見て少なくとも軽く1級は通過してそうなハイレベルのことです。出場者の集団が、奥利根の急斜面を普通に小回りで降りていくのをリフト上から見て、これもまた壮観でした。

8.オーストリア―スキーセミナー

●2002年頃:ポールキヤンプに参加
 結婚して子供が生まれ、しばらくスキーから遠ざかり、それから子供が3歳くらいになり、遠出できるようになったので、スキーを再開しました。その頃、一度だけお世話になったのがこちら。
代表の山下太門さんはオーストリア国家検定スキー教師を取得されており、帰国後、このスクールを立ち上げたとのこと。
 内容は、基本的には競技志向で、基礎スキーのプログラムはなかったと思います。
けれども、基礎派にも役立つカリキュラムとのことだったので、思い切って参加しました。
場所は、正月明けの菅平スキー場。菅平には初めていくので雪道も不安だったし、大きなスキーエリアなので宿までの道順がわかるか不安だったのですが、電話口で丁寧に教えてくれました。「菅平って、信号が1つしかないんですよ。それを目印に・・」とか「ダム湖が見えてくるので、そのあたりから道が・・」等々。

 参加者は中学生から社会人までアマチュアレーサー多数。インターハイを目指すような子もいたように思います。なので、基礎スキーでへたっぴな自分でしたが、 レーサーに交じっても 決して浮いた感じにならず楽しむことができました。宿の同部屋の人は、キャノンの社会人スキーヤーのお仲間さん達。年が近いしお互い都会のサラリーマンということで話も合い、夜もリラックスできました。一点だけ気になったのが、宿の夕食が、鉄板焼きを数人でつつきあうスタイルだったこと。と言うのも、初見の方たち同士ですと、やっぱりお肉とか遠慮しちゃいますし。でもこれはスクールの責任ではないので仕方ないですね。

 当時私は、子育てのブランク明けということもあり、スキー業界の潮流についていけておらず、なんと長い板を履いて復帰しました。世の中すでカービングが当たり前化していたので、浮いていたのは、私というより「板」だったかも知れません。校長の山下さんに、「板は変えたほうがいいですよ」と言われ、その後 板を買い換えました。
 オーストリアスキーセミナーは、今は軽井沢を拠点に展開されているかも知れません。そう言えば、キャンプは3泊4日くらいの日程の中、私は1泊のみで途中で帰ったのですが、その時も校長が駐車場まで出てきて見送ってくれました。ぜったいまた来よう、今度は一泊増やして、とマジで思ったのですが、諸々の事情で参加できていません。残念です。

9.オーストリアスキセミナー(現:ゲニースナトゥーア)

●2003年頃、2019年:日帰り参加 計2回
●拠点:湯沢中里、基礎系、宿泊スタイル
 菅平のオーストリアスキーセミナーの翌年にお世話になったのがこちら。代表は、前述No8の山下多門さんと同期でオーストリア国家検定スキー教師を取得した長谷健一郎さん。オーストリアスキーセミナーの流れでこちらを知り、参加することにしたわけです。今ではスクール名が変わっています。この名は、ドイツ語で自然を楽しもうという意味だそうです。
 参加者は、No8の菅平と違って、完全に基礎スキーヤーばかり。と言っても検定志向ではなく、一般のゲレンデスキーなんだけど上達を目指す、という方が多かったと思います。また常連さんが多く、参加者は殆どが馴染みさん同士でお友達カンカク。スキーサークルというかコミュニティというか。
スキーを通じて知り合った都会の社会人が、週末の時間と場をスキー場で共有している、そんな感じです。なので客層の年齢は高く、30代~シニアまで。講習以外の場では、大人の笑い話で楽しんだり盛り上がったりすることも多かったですね。私も30代(40近く)だったからか、初参加時も自然にとけこめました。私が参加した中では学生さんもお子さんもいなかったはずです。


 講習内容は、滑りの基本となる動きを重視した練習でした。所謂、検定用カリキュラムは殆どなかったと思います。オーストリアのメソッドに長谷さんが長年研究してきたものをミックスした、ということではないでしょうか(違ってたらすみません。長谷さんは著書もあるので興味ある方はそちらをご参考に)。どんな斜面でも滑るためには本質的で普遍的な動きがあって、それを繰り返し習得することが大事なんだ、コブも整地も新雪も。のようなことをおっしゃってたと記憶しております。
 パーツ的なレッスンもありました。特に、膝の動き。また、私が特にアドバイスされたのが、股間接(腰)をしっかり曲げること。腿がたったポジションで滑っている、という癖がこの時わかっただけで収穫でした。

 また、私見になるのですが、昔から滑ってる身として、この頃流行っていた検定滑りと言いますか、外向をあまり意識しない滑りと言いますか、姿勢を極端に低く前かがみにして両腕を大きく横前方に広げる滑る(飛行機みたいな滑り?)を、ゲレンデで見かけることが増えてきたのを感じておりました。そんな中、外向傾がしっかりとれた、腰高から中間姿勢で、流れるような安定したターン弧で滑る長谷さんの滑りを見たとき、それが昔憧れていたオーストリアデモのビデオに重なってみえたのです。オーストリアで資格採った方だから当たり前なんですけど。歳がいくつになっても、時代が変わっても、誰がみてもウマイ、と思われる滑り・・これがそうなんだ、と感じたのでした。(決して流行りの滑りや検定を非難しているわけではありません、素人の独り言としてご容赦ください)

 最後に、こちらの特長をもう1点。レッスン終了したその日の夜、宿泊している受講者が先生の自宅(スクール事務所兼)に集まってビデオミーティングがあること。19時頃から始まり、ミーティング後はお酒の会に替わるようです。私は日帰りでしたので、夜19時までナイターした後に参加。帰りの新幹線の時間を考慮して、私へのビデオアドバイスは先に行なってくれました。その上、湯沢駅までクルマで送ってくれました。 生徒さん達はお酒が入るので、長谷先生はお酒を飲まず、宿泊者を宿まで車で送り届けいらっしゃるようです。スクール事務所はログハウスで、いい雰囲気ですよ。

10.アンギュレーション

●2018年:日帰り1日レッスン
●拠点:湯沢エリア(岩原、神立、NASPAなど)
 年齢が40を大きく超えて来ると、若い頃のようにスキーに時間も体力もお金もかけづらくなってきました。滑走回数も大幅に減ってきました。そんな中でも効率よく上達できる(またはこれ以上ヘタにならない)よいレッスンはないか、と思っていたとき、ネットで出会ったのがこちらです。実は以前からHPの内容に興味を抱いていました。その理由は次の2点です。
 1点目は、代表の山藤さんの言葉「レジャーではなくスポーツとしてのスキー」「目的は技術の向上、気の利いたリップサービスや接客はしません」というフレーズに興味が湧いたから。
もう1点は、ブログで紹介される多くのレッスンビデオ。参加者は中学生からシニア老若男女、そして上昇志向の方が大半。そして動画から流れてくる先生の叱咤は、まるで頑固オヤジそのもの。他のレッスンとは一味違うのは明らかでした。

 サービス業のおもてなしとは真逆とも感じるこちらのスクールに、それでも参加してみようと思えたのはブログ内でよく展開されるスキー理論でした。理論の細かいところはわかりませんが、オーストリアスキー教程がブログ内にたびたび登場するなど、レッスンの土台がオーストリアスキー理論にあるのだなとわかりました。スキーの本質は道具が変わっても不変、といったニュアンスの内容もあり、この点、No9ゲニースナトゥーアさんと非常に共通していると思いました。学校のカラーというかノリは真逆ですが。両者をざっくり表現すると「ゲニースナトゥーアはどんな斜面でもエンジョイするためのスキー技術。アンギュレーションは切磋琢磨スポーツとしての技術。でも技術の土台は共通してオーストリア」そんな感じでしょうか。

 前置きが長くなりましたが、そういうわけで意を決して日帰りレッスンに参加しました。電話申し込みすると、やはり非常にふっきらぼうな感じ。これはHPの動画の通り、頑固でこわイ人だな。そう思いながら翌朝、関越道をとばして集合場所のNASPAスキーガーデンへ。
 さて、レッスン始まると、思ってたほど叱咤の嵐ではなく、結構フツーの対話。ちゃんと苗字をさん付けで読んでくれるし、敬語で話してくれるし。他の人にもそうでしたから初参加の私に遠慮していたわけでもないようです。ブログや動画での厳しめのモノ言いは、おそらく超常連さんが多いので親しみこめてそういった表現になっているのでしょう。それに、きびしくいってもらった方が良いと思っている受講者が大半なのかも知れません。

 レッスンでの特長は、先生が常時タブレットを携帯し、生徒の滑りを撮影し滑り終わったその場で映像で確認できること。他の合宿型スクールは、動画撮影をしたらレッスン後の宿でビデオMTGするケースが多いかと思いますが(ゲニースナトーアがこのパタン)、滑り終えた直後に確認できるのは利点よいかもです。撮影回数が多いので、1日のレッスンで3パタンくらいの滑りを撮って見れたと思います。ただ、講習中にみるので何度も再生しながら先生を質問責めするのは、次の生徒さんもいるので多少控えざるをえませんが。
 また、HPのブログでレッスン動画が公開されているので自分の滑りを翌日以降でも確認できるのも良い点ですね。一方、宿泊者が夜に集合してのビデオMTGはないようです。

最後になりましたが

 さて。オーストリア志向の3校 (No8~10) には、その後もシーズンに何度かづつはお世話になるつもりでした。ところが、なんと2020年の3月に仕事中のケガ(トラブル)で腰を痛めてしまいました。暫くスキーができない身となり、未だに完全回復していません。それでスキーから足が遠のくことに・・。なんとか2020~21冬は月1程度でスキー場に出かけ、滑りを忘れない程度に雪上にたっています。プルークボーゲン&急斜面はひたすら横滑りで。
 きたるシーズンはどうするか。腰の痛みが慢性化してしまい、激しい運動はきびしいです。悔しいですがスクールに入ってガンガン上達を目指す、というわけにはいきません。頑張ってリハビしても、同時に老化も進むので体力的にも行って来いですしね。でもスキー場やスキースクールに入って楽しむ人がもっと増えたらいいな、と思いから、このような情報もアップしていこうと考えています。

 お読みいただき、有難うございました。

(【前編】をまだお読み頂いてない方、よろしければお読みください)

ムラーヌスTV ご視聴ください。

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