宝台樹スキー場は、水上エリア最大規模。初心者でも楽しめる1000mの超緩斜面から、ボーダーに嬉しい2キロのパイプ形中斜面、エキスパート向け斜度30度以上の急斜面が3本以上、等々、コースバリエーションも豊富です。 このポテンシャルを堪能するためにもぜひ1度は泊まりで行くことをお奨めします。 お泊りスキーで気になるのが宿選び。宝台樹のゲレンデ周辺には(徒歩または車5分圏内)約15軒の民宿やペンションがあります。 私も過去、数えきれないくらいお世話になりましたがどの宿もサービス(食事、宿の対応、価格とのバランス)は水準以上だと思います。 それぞれ優先する条件をもとに選んでも問題ないでしょう。 本記事では、そんな条件とは別に、これまでに体験した、ほっこりするエピソード(思い出)を書いてみました。 お宿選びに直接参考にはならないかも知れませんが、宝台樹民宿のあったかさがお伝えできれば幸いです。
民宿A 満室のはずなのに泊めてくれたお部屋は・・?
白樺ゲレンデ徒歩圏内の民宿にお世話になったときのこと。 バブル時代=スキーが大ブームだったころの話です。日本じゅうのスキー場が人で溢れかえっていました。 宝台樹スキー場も例にもれず、民宿やペンションはどこも週末は満室。ある2月の週末、すべてのお宿に電話してそれでも一室も空いてない、そんなとき。キャンセルが出てないかなと諦め半分でもう一度電話した民宿Aさん。 返ってきた答えは「いつものお客さん向けの部屋じゃないんだけど、それでよければ・・」 それでも有難いと予約をお願いしました。 さて、当日行ってみると、通常は2階が客室なんですが、その日 案内されたのは1階。ふすまで仕切られた、どうやらいつもはご主人や奥様が生活に使ったり本当の来客用につかってる(らしい)部屋だったのです。 なので隣部屋との仕切りは襖。でも来客用の部屋だからか、通常の間取りより広く、調度品もあり。 食事は、いつもは食堂で他のお客さんと相席なんですが、その夜はお部屋に運んでくれて、ちょっと旅館気分。 暖房も暖かく、快適に休むことができました。 無理なお願いにも関わらず部屋をあけてくださり、ありがとうございました。ところであの夜は、ご主人やお宿の人はどこに寝たのでしょうか。
民宿B 出産間もない妻を気遣ってくれたおカミさんたち。
こちらも白樺ゲレンデそばのある民宿。長男が生まれてまだ数か月。それでもスキーに行きたい私たち夫婦は、赤子を連れて初のお泊りスキーに。 2日間、夫婦交代しながらフルに滑って夕方、宿に戻りました。他のお客さんがみんな帰って静まりかえった宿で、渋滞さけて帰ろうと ゆっくりと身支度を整えていたところ、宿のおかみさんが「風呂でも入いっていきなさい」と。 お風呂をかり、さっぱりして部屋に戻ると、女房がいない。気付くと、お宿のご主人たちの居間でこたつに入って、なんと御餅を御馳走になっていたのです。 お宿のおかみさん「餅を食うと、乳がいっぱい出るから」と。 私も同じくこたつにいれて頂き、御餅と蜜柑をよばれながらバスを待つことに(子連れだったので運転疲れしないよう電車で来ていた) おまけに、お宿のご主人が「バス停まで送ってやろうか」と私たちを軽トラに乗せてくれたのでした。 バス停まではたいした距離ではなかったものの、女房を気遣ってくれたのだと思います。 こちらのお宿、今でも営業されています。最近は子供が大きくなり家族スキーに来る機会も減りました。 日帰りスキーばかりなのですが、それでもシーズン中、この宿の前を通ると 当時のことを思い出します。そして当時の自分たちのような子供連れが止まっているのをみると、ほっとし気持ちになります。
民宿C ナイターで遅れた一家を快く貸し切り対応してくれた。
自分がスキーにはまっていた頃のこと。その冬も1泊2日のスキー。 子連れでスキーにいってもナイターまで滑る、とめったにない2日のスキー日程をフルに使おうと、ギリギリまで滑っていたのでした。 宝台樹のナイターは、当時(2000年頃のこと)、17時~21時。本来なら、宿の食事を終えてからナイターにいって、19時半くらいから1時間半ほど滑り、宿に戻ってお風呂に入る、これが通常のパタンのはず。 ところが、身勝手な私は先にナイターを滑れば2時間強滑れる、19時過ぎにダッシュで宿に戻っても19時半だから食事にはなんとか間に合うはず。とお宿に連絡も入れずにナイターを滑っていたのでした。予定の19時はとうに過ぎて、ラスト仕上げの1本を滑り終え、家族ともども宿へ移動。ついたのは20時をとうにまわっていました。 外から見える食堂らしき大広間には、その日ほぼ全室が埋まってるくらい大勢いるはずの他のお客さんが誰一人おらず。 スキーウェア着のままかけつけた広い食堂には我が家の4人分の夕食が並んでるだけなのでした。 宿のおかみさんたちは、「あらあら頑張ってすべってきたねぇ・・」と迷惑がることもなく迎えてくれました。本当は連絡もせずに遅れて宿にはいるなんてとんでもない客なの筈なんですが。 というわけで貸し切り状態の広い食堂がゆっくりと晩御飯を頂いたのでした。その日は12月30日。食事の最後にお蕎麦まで出てきまして。 おまけに、食事のあとも30分近く世間話につきあってくださることに。 こちらのお宿、勿論いまでも営業されています。あのときは遅くに入ってご迷惑かけました。 皆さん、ナイターのときは連絡入れるようにしましょう。
民宿D 熊撃ち名人(?)がご主人のお宿
宝台樹スキー場から2キロ下ったところにある、宝川温泉。この旅館で、熊が出没したというニュースがありました。 あらためて、この水上一帯はツキノワグマの生息地であると再認識したのですが、それで思いだしたのですが、かつてお世話になっていた宝台樹の民宿Dさん。ご主人だったかご主人のお父様だったか、が熊撃ちをされていた、と語っていらっしゃったのを覚えています。 熊鍋とか、熊の肝だとか、そんな話もされていたような記憶があります。 そのお宿の2階の客間の入り口には、ツキノワグマのはく製があり、当時 連れていた長男(2歳か3歳)がクマの剥製(はく製)をみて泣き出したものです。 晩御飯を頂きに、熊のはく製前を通って食堂にいくのすら怖がっていました。 もし、皆さんがお泊りされたお宿でツキノワグマのはく製を見かけたら、そこは同じ民宿かもしれません。 熊撃ちのお話でもきいてみてはいかがでしょうか。
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