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雪道なめるな! 魔のエコーバレー
私の事故体験~助けてくれたランクルのあの人達へ~

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とにかくお礼が言いたくて。20年以上前、深夜のエコーバレーへの道での事故。
あのとき助けてくれた方へお礼を言いたくて、この記事を書きました。あなた様たちのおかげで今、なんとかスキーもできています。有難うございました。また、雪道トラブルに遭わないために、私の事故体験をあらためて共有します。

ことの発端~エコーバレーへ、深夜24時。

 30年前、スキーバブルのさなかのこと。冬になれば毎週末、日帰りスキーにでかけてました。猫も杓子もスキー、デートと言えばスキー、レジャーと言えばスキー。
当時は行きも帰りも渋滞するので、夜中に出て深夜にスキー場について車中仮眠して、1日滑って夕方出発して、22時すぎて都内に戻る、そんなスキー日程でした。
 2月のハイシーズン、寒い日でした。
その日も夜21時頃 中央道府中ICに入り一路エコーバレー(長野県)へ。
大きな渋滞もなく長坂インターを降り、そのままエコーラインで現地へ。
白樺湖に向けて路面の雪が多くなったのでチェーンを装着。
当時はスタッドレスユーザーは勿論いましたが、現在ほど当たり前でもない時代です。私たちは日産オースター(今では生産ナシ)というFF車にチェーン(樹脂製)でした。
そうこうしているうちにエコーバレーへのラスト2キロの登り阪に入りました。事故はそこで起こりました。

あらためてコワイ、雪の坂道発進

 気付けば車の量が一気に増えており、前も後ろも車のライト。徐々に登攀速度がおちて、雪の坂道は一度止まると登りないので、止まったらどうしよう、と思い始めたそのとき、なんといきなりストップ。前の車もその前も、すべてつかえた状態になりました。(おそらく、駐車場がまだ開門しておらず、到着した先頭車両から順に止まってしまったのではないかと推察します)
そのまま動く気配なく数分。私はこの時間を利用して、外の雪の路面状況を確認しようと
ドアをあけて車外に出たのです。
「寒っ! 路面も・・凍ってるかな・・」と思ったその瞬間、
なにが起こったのかわかりませんでしたが景色が動いた!、いやこれから運転席に戻ろうとしたその運転席がゆっくりと動き出したんです。「何!」
そうです、停止していた車が運転席のドアを開けたままの状態でスリップして後方へ下がり始めたのです。運転席の開いたドアのピラーを思わず抑えて車を止めようとした私、、でも止まるわけない。当たり前です。
そのまま私はクルマのピラーを手にした状態で、クルマは止まることなく2メートル、3メートル・・とずり落ちていきます。・・ああ止まらない、いやこのままだと加速して落ちてくぞ、後ろの渋滞列に突進か、、わずか1~2秒の間頭の中をか駆けめぐる次におこる惨事のシーン・・・
とそのとき、10メートル滑ったかどうかの当りでいきないガーン!、と、
加速し始めていた車が衝撃をうけて止まったのです。
いや、正確にいうと、後ろのランクルに、開いたドアがひっかかる状態で停車したのでした。私はランクルとドアの間に挟まれて身動きできない状態です。
動けない、ケガしたか、いや大丈夫? とりあえず車は止まった・・
ハイだそうともがいていた私を、ランクルから降りてきた同年齢くらいの男子が助けてくれました。

スリップの原因は、前日からの雨の路面凍結

 車は止まったものの、ドアは逆方向に開いてもとに戻りません。
無理やり戻して閉めようとしたら、ギシギシとく軋み音をたてて、約15センチのスキマを開けた状態で閉まりました。というか閉まってないのですが、ドアがもげかっただけでも有難いと思わないと。その状態で占めることもそれ以上開くこともできないところで固定されてしまいました。
 それにしてもなんとバックスリップとは。
事故にいたった理由は、
・前日の雨を含んだ雪路が深夜の冷却で凍結していたこと
・使い古したチェーンの性能低下など我々の装備の甘さ
・積雪路の登り途中であるにも関わらず、止まってしまったこと
・運転席から降車したことで前方加重が軽くなってフロントがグリップしなくなったこともあるでしょう。FF車の前方加重の大切さをあらためて思い知らされたのです。

やっぱり 頼りになったランクル & ランクル兄さん

 ランクル兄さんはこちらを気遣ってくれ、私にケガは無いかと聞いてくれました。
そうしているうちに、渋滞で停車していた車列が流れ始めました。ちょうと深夜2~3時頃でしょうか。おそらく駐車場が開門したと思われます。
たくさんの後続車が私たちの事故車とランクルを見ながら追い越していきます。
私たちも坂道発進を試みましたがタイヤは空転。あまりやりすぎるとチェーンがタイヤからはずれそう、やれやれどうしたものか、と。
するとランクル兄さん、「ウチの車で駐車場まで牽引してあげましょうか?」と
なんと神のような言葉。

 ということでランクル兄さんは、私たち甘々のオースタにぶつかれらたというのに助けてくれ、その上 牽引して駐車場まで約1キロの坂道を引っ張りあげてくれたのです。
考えてみれば本当に不幸中の最大ラッキーでした。
もし後ろの車がランクルでなく、私たちと同じような小型車だったら・・。
オースターを止めきれずに、そのまま後続車もづり落ちて玉突きバックスリップダウン、大惨事になっていたかも。ランクルだったから停められたし、引っ張り上げてもくれた。

 当時、ランクルやサファリやパジェロなど所謂ヘビーデユーテイのクロカン4駆が流行ってましたが、どちらかというとこれ見よがしでオラオラ感を私は抱いていたのですが
そんなセコいやっかみは一気に吹き飛びました。
やっぱランクル、すげぇランクル、神だランクル、ランクル乗ってる人って最高にいい人!

ドア15センチあいたまま朝まで仮眠

 約3~4分、凍結した坂道をグテグテと牽引されながら登り、駐車場に到着。私たちから牽引ロープをはずしたランクル兄さんたちは、そのまま奥の駐車場まで走り去っていきました。
駐車場の闇に消えていくランクルのテールランプ。
うっすら光る街灯に照らされた吐く息の白さ。見上げた満点の星。
そしてひしゃげたドアがせり出したオースター。
あの夜、後ろがランクルでなかったら自分たちはどうなっていただろう。
車もそうだけど自分自身が大怪我を負ったかもしれません。

今でもあの夜のことは忘れられません。

 時刻はすでに深夜15時をまわっていたでしょうか、15センチ開いたドアの車の中で、とりあえずウェアを着こんで仮眠に入る私たち。
3時間後に運転席で目覚めると、ドアのふちに雪が3センチほど綿アメみたいに積もっていました。

今から30年前の2月、ランクルでエコーバレーに行って
日産オースターを助けてくれた皆さん、
皆さんのおかげで今でもスキーができています。本当に感謝しています。

あらためて雪道事故からの教訓

いまはスタッドレスが普及しているので、性能面では向上しているかもしれませんが、あらためて注意したい教訓を書かせて頂きます

①チェーンがあってもチェーンが摩耗してるかも知れない。事前に要チェック
②雪の坂道では止まらないこと、そのために車間を十分あけて走る
③FF車は前輪駆動なので、前方加重が大事。止まったら安易に降車しない
④もし降車するなら、タイヤ止めになるようなものを準備しておく(どんなものが良いのかわかりませんが。へたなものだと却って危険。何か読者の方、良いアドバイスがあれば教えてください)
⑤スタックから地力脱出できるよう準備を(毛布、滑り止め、牽引ロープ 等。他になにかあれば教えてください)
⑥万が一のビバークに備えてスキーウェアにプラスしてさらなる防寒着か寝袋等
⑦そして何より、雪道事故は必ずおこる、自分にもおこる、という気持ちで運転する

楽しいスキー&スノボドライブ、万全の準備ででかけましょう。

※エコーバレースキー場は2021-2022シーズンは営業休止です、残念です。

★主に関東のスキーヤーに向けたスキー&スノボの動画もどうぞ 「ムラーヌスTV

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